
工業化し良い製品を市場に出すだけでは、外国に迷惑をかけ、風当たりが強くなる。ゆえに独創的な技術に立脚した研究成果を生み出し世界を相手に商品展開をする必要がある。
(和歌山では、何をすべきか)
和歌山県の技術開発にとって大切なことは、和歌山独自の新技術を展開することが必要であると考える。企業誘致だけでなく、やはり、地域産業を育てなければいけない。今各地域が何をすべきかについて、信頼できる学識経験者とともに考える必要がある。
(日本の役割)
日本の知恵を大いに発揮して独創技術を開発し、国内で独創技術を、海外で製品の量産を行えば、懸念されている経済の空洞化も緩和され、アジアのリーダーとして健全な経済活動に寄与することが出来ると考えている。
・パネルディスカッション
「21世紀への科学技術の展望と個性的で魅力ある地域づくり」
パネラー
東北大学前総長 西澤潤一
通商産業省産業政策局消費経済課長
太田房江
評論家 五代利矢子
和歌山大学システム工学部長
辻三郎
近畿大学生物理工学部長
苫名考
和歌山県工業技術センター所長
田端英世
ゴーディネータ
NHK解説委員 前田一郎
(地域の発展について、科学技術に関連づけてどうあるべきか)
○科学技術基本法及び科学技術基本計画の制定により、我国は今後「科学技術創造立国」を国の発展の基盤に置くことを内外に表明したことになる。この背景には、経済の空洞化があり、ある程度は、致し方ないけれども、国にとりゆゆしき事態であると考えた訳である。研究費の増額が行われるのであるが、ハード・ソフトのバランス、産官学の連携のもと、施設、人材、研究費の調和が必要である。
○中小企業の方は、意欲があっても、人材・資金・時間がない。これを解決するには、大学・工業技術センター等に負うところが大きい。大学には、基礎研究を中心とした磨けば宝石になる原石を有しており、これを利用しない手がない。しかし、中小企業の方には、大学の敷居が高いものである。故に中小企業と大学等の橋渡しをするコーディネーター的機関が求められている。工業技術センターは、この役目を担うべきであると考える。
(個性的で魅力ある地域づくりに必要な要件は)
○個性的な地域作りを目指すなら、総花的な行政でなく、特定の技術分野に絞って開発等を行うべきであると考える。世界に通じる得意技を持つべきであり、コアー技術を決め、それを中心に展開すべきである。
○和歌山は繊維関連分野、釦産業等が盛んである。これは、地理的条件等で産地を形成したと言うより、明治時代に、先見性のある人が、新しい産業を起こしたことに端を発し大きく育てたものである。工業技術センターの研究でも、うまく成果を上げているものの多くは、企業からの要望によるものである。即ち、まず企業のニーズありきである。今後とも、皆様の研究機関として、大いに活用して頂きたい。
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